詩誌『て、わた し』は、 日本の詩と世界の詩という副題をつけて刊行している雑誌です。
日本語で詩を書く書き手と日本語ではない言葉で詩を書く書き手を対にして作品を紹介するという形式で編集を行い、日本語ではない言葉の詩については翻訳者に解題を書いていただくという形で作っています。
詩誌『て、わた し』では、 私が生きていくうえで読み続けたい、「生きざまを写しとった」作品に多くの方に触れてほしいと思っています。
現在は、世界におけるマイノリティの詩と、それに対応できる声を持つ日本語で書かれた詩を紹介することに努めています。
きっかけは移民の書いた詩と、茨木のり子さんの詩に触れたことからです。
例えば、アメリカ合衆国ではパレスチナから追われ移り住んだ人やLGBTであることをカミングアウトした人が自分自身の立場を詩のかたちであらわしています。
同じように、日本の詩人…特に女性の書き手は、自分たちの政治的な意識を詩に書いています。特に宮尾節子さんの『明日戦争がはじまる』や、震災ボランティア経験を描いた詩は生活に寄り添ったすばらしい詩です。
私は、生きていることはすべて政治的であるという言葉を信じます。
それと同時に、そのことを伝えるにあたり、詩が最も大切な役割であることを信じています。
この二つのことを改めて伝えるために、詩の雑誌を発行することにしました。
「生きざまをつたえる」こと。それは今を生きることと同時に、未来を生きるのだと伝えたい人がいるからです。
『て、わた し』は年二回の発行で、直販と委託書店さまとの直取引によって刊行しています。
ぜひお手に取ってくださるとうれしいです。