いろいろ詩のこと

ガザ地区では人道支援が虐殺のために使われています。欧州地中海人権監視団によるレポートの翻訳とイスラエルへの抗議のお願い

ジュネーブに本部に置くヨーロッパおよび地中海における人権問題の監視組織、欧州地中海人権監視団(Euro-Med Human Rights Monitor)による、アメリカ合衆国に後援されたガザ地区の支援をうたう出資者すらわからない団体、ガザ人道財団(Gaza Humanitarian Foundation)の人道支援物資配給所の近くでイスラエル軍が行った虐殺についてのレポートを訳出しました。トランプ政権が加わることでガザ地区では人道支援すらイスラエル軍の武器として虐殺に使われています。ぜひ一読いただき、外務省、首相官邸、地区選出議員などに働きかけてください。

原文

https://euromedmonitor.org/en/article/6751/Amid-global-silence,-Israeli-forces-kill,-injure-over-600-Palestinians-at-aid-distribution-centres-in-one-week

2025年6月3日


【全世界の沈黙のなか、イスラエル軍は1週間で600人以上のパレスチナ人を支援物資の配給所で殺傷した】

パレスチナ地域 – ガザ地区内でイスラエル軍が制圧している地域につくられた3箇所の支援物資配給所(以下、配給所)の近辺で、イスラエル軍はたった1週間のうちに600人以上のパレスチナ人を殺傷した。この事象は、意図的にこの地域にいる市民を標的とし処刑するための殺戮地帯としてこれらの配給所が機能していることの動かしがたい証拠である。

20カ月近くのあいだ、加速しつづけているガザ地区におけるイスラエルの虐殺作戦に対する全世界の沈黙は恥ずべきものであり強く警告する。ここ数ヶ月間、イスラエルは市民を飢餓に陥れるだけでなく、設置した「人道地点」なるものの近辺で、劣悪な環境下でわずかな食料を手に入れようとした必死な市民を殺している。

欧州地中海人権監視団の調査チームは、ガザ地区南部ラファハ市テル・アル・スルタン地区の配給所近くで、6月3日早朝、何千人もの集まってきた市民に対してイスラエル軍が発砲したことを記録した。少なくとも27人が殺され、90人が負傷した。重篤な傷を負った人の多さおよび封鎖と度重なる医療施設へのイスラエル軍の攻撃が引き起こした医療サービスの破壊により、死者数は増えることが見込まれる。

証言と欧州地中海人権監視団の調査チームが手に入れた情報によると、イスラエル軍に脅威を与えることのない飢えた市民に対し、イスラエル軍の狙撃兵は主に頭部を意図的に狙って直接射撃していた。

欧州地中海人権監視団によせられた匿名希望の男性の証言。

「今朝3時50分ごろ、イスラエルのクアッドコプター・ドローンが集まっている市民の上を飛んで写真を撮りました。すると、軍隊がその場に立つクレーンから発砲を始めました。3人の頭を撃たれた人を私は自分で担ぎました。負傷のほとんどが頭でした。人々は飢えをいやすための食料を探しに来たのですが、亡くなるか傷を負って帰ることになりました」

A.Bさん(38歳)による欧州地中海人権監視団への証言。

「午前3時頃ラファハ市アルアラム地区近辺へ向かい、海辺のカフェテリアで待っていました。銃撃は激しくそして無差別でした。銃弾が頭の上を飛ぶよう、みんなふせていました。誰一人立とうとはしませんでした。立つことは生命と引き換えでしたから。」

彼の証言は続く

「午前5時頃、人々は配給所へつづく道へ近づこうとすると、クアッドコプター・ドローンと砂丘の奥にいる車と海軍の船から銃撃が始まりました」「あたりは怪我人と死体でいっぱいでした。午前5時45分ごろ、私たちは配給所に入ることができ、私は支援物資を手に入れることができました。外に出ると、もう先に進めなくなった、飢えと貧困に子供といっしょに苦しんでいると話す40代の女性と会いました。私は彼女に支援物資をわたし、もう一つ取りに行こうと配給所にとってかえしましたが、何も残っていませんでした。クアッドコプター・ドローンが頭上で侮辱的な放送をしていました「失せろ獣、くれてやるものはないぞ」」

「その場を離れ、細い通路の出口の近くまで行くと、一人の子供がお母さん起きて、お母さん起きてよ、と泣きながら叫んでいました。近寄ってみるとさっき私が物資をあげた女性が血の海の中に倒れていました。亡くなっていました。」

「若い男性たちとわたしで彼女を外へと運び、救急車にのせました。私は病院まで彼女の子供につきそいました。海沿いの道路を向かう途中、七人の体が道端に横たわっているのを見ました」「テントに戻り、私は神と妻と子供のまえで誓いました。配給所には金輪際行かない、どんな辛いことが待っていようと、たとえ砂を食べることになったとしても、と」

欧州地中海人権監視団が記録した市民の屋外処刑の一例として、ラファハ市西部の配給所に食料を入手しに行こうとしたハーリド・アフマド・スワイリムさん(41歳)をイスラエル軍が殺害したことを挙げる。

支援物資の入手に成功したハーリドさんは配給所を出ようとしたところ後ろから撃たれた。右耳から入った銃弾は頭の中にとどまり、ハーリドさんは即死した。ハーリドさんの遺体は野外病院へ運ばれたあと、ガザ地区南部ハーン・ユーニス市のナセル病院へ搬送された。

配給所を運営する、アメリカ合衆国に後援された組織に協力するイスラエル軍は、指定した場所で支援物資を手に入れるようパレスチナ人に指示し、検査と屈辱の門を通るようパレスチナ人に命令している。その場所へたどりついたパレスチナ人は、数百メートル先に駐留するイスラエル軍の脅威になるという口実のもと、狙撃兵とクアッドコプター・ドローンによる直接の銃撃、ときには戦車の砲撃にさらされている。

この地での事象が証明するのは、イスラエル軍が配給所を彼らが制圧している軍事地域の近辺に、パレスチナ人が安全に通れる回廊もなく設置していることだ。このことは、3カ月以上つづく封鎖のもと、わずかな食料で生き延びることを強いられた何千人もの市民へむけた死の罠を作り出している。多くの人が傷ついて帰ってくる…帰ってこれたらの話だが。

イスラエル軍はこの深刻な犯罪を型にはまったように否定するか、部隊を展開する地域に「容疑者」が接近したといいたてて実弾の使用を正当化している。これらの言説は証拠もなく作り出され、しばしば以前の発言と矛盾し、飢えた市民の生命の無視を反映している。このやり口はイスラエルが長年にわたり享受してきた免責の直接的な結果である。

国際社会は、ガザ地区における非人道的な支援物資配給システムをやめるようイスラエルに抗議する行動をいますぐ断固としてとらねばならない。たった4日間でこのシステムは日常的な殺戮をうみだし、102人のパレスチナ人を殺し、約500人に傷を負わせている。多くの人が重篤な容態だ。

支援物資配給所における無秩序は、人道支援の供給をイスラエルの方式では効果的に行えないだろうという当初からの懸念を強めるものだ。軍の収容所を模し、人々を受け入れ物資を安全かつ効率的に配給する基本的な設備すら欠いたわずか4つの配給所で何百もの既存の施設を置きかえることはできない。これらの事象を手続き的な問題であり運用の調整で改善できるものとして見過ごしてはならない。これらのできごとは、イスラエル軍による人道支援の統制の深刻な結末として、もっと広い文脈で理解されなければならない。20カ月近くのあいだ虐殺に関与しているとして糾弾されている存在それ自体に、彼らがいままさに攻撃している人々の人道的状態の改善を任せられるとは考えられない。

イスラエルによるガザ地区での支援物資配給システムをいますぐ止めることが不可欠だ。このシステムは配給所を屋外処刑場にし、そのうえ、最も基本的な人道上の基準さえ満たしていない。欧州地中海人権監視団は安全で効率的な支援をガザ地区の人々に届けるために以前の国連主導のシステムを再開するよう、強く求める。

あらゆる国家および関係する団体はイスラエルが経験豊かな国連機関による活動を回避し妨害するイスラエルを止めるため最大限の圧力をかけなければならない。

欧州地中海人権監視団は、死と飢餓に直面している220万人以上のパレスチナ人への人道支援の提供と対応の調整において、国連機関が果たしている公平かつ重要な役割を強調している。


私たちにできること

この記事を読んてくださった方の多数は日本に在住する方だと思います。パレスチナでイスラエルが行っている虐殺に対し、日本からできることを紹介します。

Olive Journal 市民が作るパレスチナ情報サイトで詳しく掲載されているので合わせて読んでくださると嬉しいです。

各国の政府へ抗議する

パレスチナで起きている虐殺について心を痛めていることをストレートに伝えてください。一般人を殺害するイスラエルに対する制裁の実施など具体的な行動を取るよう求めてください。

首相官邸
https://www.kantei.go.jp/jp/forms/goiken_ssl.html

外務省
https://www.mofa.go.jp/mofaj/comment/index.html

在日米国大使館
https://jp.usembassy.gov/services/acs-inquiry-form

地元選出議員にメールする

ご自身のお住いの地域 国会議員、で検索し出てきた議員に対して、ご自身が選挙区の在住の市民であることを伝えたうえで、パレスチナで起きている虐殺について心を痛めていることをストレートに伝えてください。一般人を殺害するイスラエルに対する制裁の実施など具体的な行動を取るよう求めてください。

署名をする

パレスチナで行われている虐殺を止めるための署名がいくつも行われています。ぜひとも署名してください。以下はほんの一例です。

  • パレスチナの国家承認を日本政府に求める署名

https://www.change.org/p/世界につづけ-パレスチナ国家承認

  • 日本の公的年金によるイスラエルとイスラエルを支援する企業に対する投資を止めるよう求める署名

https://www.change.org/Divest_Nenkin

イスラエル産またはパレスチナ人の民族浄化に加担する企業の物を買わない

ポッカレモンや明治屋のマイレモンといったイスラエル産のレモンを用いている商品、airbnb,Booking.comなどイスラエルによるパレスチナ人の民族浄化に加担する企業の製品やサービスを買わない、使わない

イスラエルによるパレスチナ人の占領、アパルトヘイト、ジェノサイドに加担する企業に対するボイコットを呼びかけるBDS運動の対象企業リスト。  画像内の文字と企業名:  上部:  今すぐボイコット!イスラエルによるパレスチナ人の占領、アパルトヘイト、ジェノサイドに加担する企業
BDS運動による優先的なボイコット対象
優先的なボイコット対象(左):  Chevron
CALTEX
TEXACO
hp
Carrefour
AXA
SIEMENS
RE/MAX
sodastream
(intel)
DELL
Disney+
優先的なボイコット対象(右、加えて日本の文脈では):  住友商事グループ
FEILER
J:COM
Tomod's
QUO
サミット
Kawasaki
イスラエル産農産物
左下:  BDS運動による圧力対象
Google
amazon
Expedia
teva
airbnb
Booking.com
日本からの発信
FANUC
右下:  BDS運動が支持する草の根ボイコット対象
M (McDonald'sのロゴ)
Coca-Cola
PAPA JOHN'S
BURGER KING
Pizza Hut
WIX
最下部:  BDS
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イスラエルによるパレスチナ人の占領、アパルトヘイト、ジェノサイドに加担する企業に対するボイコットを呼びかけるBDS運動の対象企業リスト。
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