自分らしく生きる女性を祝福するライフ&カルチャーコミュニティShe isにて、アメリカの詩人、パトリシア・ロックウッドの詩「レイプばなし」が大崎清夏さんの訳で日本に発表されました。
この作品は、双子のライオン堂で今年1月まで開催していた連続講座「詩人・大崎清夏と巡る世界の詩」第三回で大崎さんが取り上げてくださった作品です。
とてもいい作品なのでぜひ読んでください。引用しようと思ったのですが、語りのリズムが独特で全文を引用することになるので、ぜひ、サイトで読んで欲しいです。エッセイと一緒に。
「レイプばなし」は、アメリカ合衆国の詩人、パトリシア・ロックウッドさんが2013年に発表した詩です。自身の性被害の体験を語り、twitterを始めとしたSNSで拡散されました。それこそ何万件も。
大崎さんは「レイプばなし」を「きっと、尊厳についての詩なのです。」と記しています。
今回、日本で紹介されることを通じ、感じてくださるかたがいらっしゃると信じています。
大崎さんは講義の中でもていねいに詩と詩人について教えてくださったのですが、She is ではもっと強く彼女の感じたことが語られています。
その中には詩を訳す前にご自身の受けた経験を詩で書かれた時のこともありました。
ご自身の表現についての反省、そしてそこに寄せられた心無い言葉と、書いた後も続いた憤り…率直に記された大崎さんのエッセイを読み、それからもう一度詩を読んだ時、改めて驚きました。
この作品を紹介することそれ自体が、大崎さんの尊厳のための戦いなのだと改めて感じるとともに、詩が静かに戦うための道具なのだと実感します。
自身の性被害を詩の形で語ったアメリカ合衆国の女性はロックウッドさんだけではありません。2019年にはスタンフォード大学レイプ事件の被害者、シャネル・ミラーさんのことをBuzzfeedの伊吹早織さんが取り上げています。
彼女たちの詩を読んでいると、自分のために書かれたはずの詩が訴える力に驚かされ、そして詩を扱う人間として自分がいかに弱いかに(人への行いに対しても、自分のありかたについても)改めて気付かされます。
その上で、大崎さんの翻訳を是非読んで欲しいです。私が紹介するのもおこがましいのだけど、この詩が必要な人がたくさんいると信じています。
大崎さんに機会をくださったShe isのプロデューサー竹中万季さんと編集長の野村由芽さんに感謝はつきません。ありがとうございました。